日本初の犬猫のリハビリ専門病院とのことですが、開院に至るまでは。

勤務医時代にリハビリに興味を持ち、専門的に診療を始めました。まだ携わっている獣医師が少ない領域のため、執筆や講演を引き受けることも多くなり、当時の院長の勧めもあって2013年に独立しました。自身の体をどう使うかは動物自身の選択なので、わたしたち獣医師や飼い主さんが理想とする状態になることだけが、必ずしも動物にとって最良とはいえないことを、飼い主さんに理解してもらうのが大事です。専門診療を開始した当初は、この説明がうまくできずに苦労しました。

「インディバ®」についてはどう思われていましたか。

動物病院にはなかった機器なので興味はありましたが、通電クリームを使用することに加え、戻し電極も必要になるので「面倒かな」と思っていました。しかし実際に使ってみると、効果の早さが素晴らしく、犬猫も素直に受け入れてくれたので、導入を決めました。

治療でどういった変化、反応があるのでしょう。

年齢や罹患期間にもよりますが、早ければ3、4回の治療で姿勢や歩行を含めた動作が改善します。動物の場合、筋肉の緊張が強すぎると、マッサージを嫌がることが多いのですが、「インディバ®」は気持ち良さがあるためか、みな受け入れてくれます。最初の治療で眠ってしまったのを見た時は、わたしも飼い主さんも驚きました（笑）。一度の治療で筋肉がかなり柔らかくなるので、その後のマッサージも嫌がらなくなり、より良い効果につながります。治療するわたしにとってもありがたいですね。

飼い主さんも喜びますね。

はい。気持ち良さそうに受けているので安心してくれますし、再診の時、犬猫が「早くやって」と言わんばかりの姿勢になるのを見てとても喜んでくれます。当初、通電クリームで体が濡れるのを嫌がられるかと思ったのですが、「どうでもいいこと」と言ってくれます。今後も動物自身がその子らしく動けて、飼い主さん共々楽しく過ごせるよう、診療に取り組んでいきます。

こちらのコンセプトは。

“見た目だけじゃない、カラダの内側からあふれる美しさ”がコンセプト。「わんこの健康＝犬幸」をサポートしていくサロンです。「インディバ®」の存在は、エステティックサロンをされている方から紹介され知ったのですが、わたしが初めて施術を受けた時、最初から最後まで「気持ちいい」という体感が続き、慢性的な肩と腰の痛みが和らいでいきました。わたしにとって衝撃的な体験で、これはわんこにもいい効果があるに違いないと確信しました。

現在の使用状況をおしえてください。

まず飼い主様に、日々の生活でわんこの身体のコリが蓄積され、そこからリンパや血液の流れが悪くなり栄養の吸収を妨げてしまったり、太りやすくさせてしまったりすることを理解していただきます。そもそもわんこは飼い主様を見上げて暮らしているから、首のところからコリが発生しやすく、そこから体調が悪くなっていくこともあります。ですから「インディバ®」でその状態をほぐしてあげることも、健康管理に役立つのです。状態面では肥満のダイエット目的、身体が小さくて免疫力が弱いわんこの体質改善、またヘルニア経験がある、骨格がズレているというわんこにも施術しています。

ワンコからは感想を聞けませんが、施術による変化を感じることは。

「この子は警戒心が強いから…」「じっとしていられなくて…」というわんこでも、施術を始めると魔法にかかったように気持ち良さげにうとうとし始めるのです。これはわたしもびっくりしました（笑）。トリミングをじっと頑張ったご褒美として使用している方もいらっしゃるのですよ。ダイエット目的で利用していた飼い主様から、「健康的に体重を減らすことができた上、毛艶まで良くなりました」という声もいただいたことがあります。

「インディバ®」はどんなわんこにおススメできますか。

すべてのわんこと言えると思います。先ほど言ったように首がコリやすいことに加え、腰や背中など身体のどこかに「コリが蓄積されているなあ」と思える動きをしているわんこがたくさんいます。そういうわんこを見ると「インディバ®」をしてあげたくなってしまいます。日々の食生活も大事になるので、食事改善＋「インディバ®」を実践して老化を早めない習慣をつくり、わんこの健康長寿を目指してほしいです。